Gazprom

09.11.2016

ゴールへの嗅覚を身につけたベンタレブ

 彼自身もここまでは予想していなかった。今夏、守備的ミッドフィールダーとしてトッテナムからシャルケに期限付き移籍したナビル・ベンタレブが、システム変更にも柔軟に適応し、同チーム内で最多得点をマークしている。

 監督やマネージャーはよく、新加入選手には適応のための準備時間が必要だと話す。特に国を跨いで別のリーグへ行くときはそうだ。選手も、新しい環境やチーム、リーグに慣れるまである程度時間を要する。しかし、それはナビル・ベンタレブにはあまり当てはまらないようだ。

 

 8月末、ロンドンのトッテナム地区からゲルゼンキルヒェンにやって来たベンタレブは、すぐにその実力を発揮し、同選手のドイツ到着から24時間後に行われたフランクフルトとの開幕戦を除く、全てのリーグ戦に先発出場を果たす。しかも、そのアルゼンチン代表MFが試合の途中でピッチを去ったのは、3-1で勝利した前節のヴェルダー・ブレーメン戦が初めてだった。

 

 出場すれば終始好パフォーマンスを引き出すベンタレブだが、開幕当初はミスをすることも少なくなかった。ヘルタ・ベルリン戦やホッフェンハイム戦が代表的な例だ。しかし本人は、「ミスをしてもプレーは続ける。僕は絶対にあきらめない。それが僕とチームのメンタリティーだ。たとえミスをしても、最後まで戦い続ける」と、失敗に動じない精神的強さを強調した。

 

新しいポジション、新しいクオリティー

 シーズン開幕に躓いたことにより、マルクス・ヴァインツィール監督はシステムを大きく変更した。それにより、ベンタレブのポジションも変わることになる。現在の3-5-2システムでは、ベンタレブは攻撃的ミッドフィールダーとしてプレーしている。だが、このシステム変更がすぐに成果に直結した。ベンタレブは、アウグスブルクとのアウェイ戦で移籍後初ゴールを決めると、その次のマインツ戦では1試合2ゴールを達成。いきなりゴールを決めだしたのだ。「攻撃的なポジションの方が得意だということは分かっていた。監督が僕を信頼し、前で起用し続けてくれている。僕自身も、よくやれていると思うよ。何点か決められたのが幸いだった」

 

 気づけば公式戦ですでに5ゴールをマークしたアルジェリア代表。しかも、その全得点は直近の6試合で挙げられた。トッテナム所属時代は、プレミアリーグでの56キャップ中、たったの1度もゴールを決めていない。

 

 これは、ここ数週間のチームの好調さが彼の成績にも反映していることも意味する。シャルケは、リーグ開幕から5連敗を喫する低迷ぶりを晒してしまったが、そのあとは公式戦9試合連続で黒星から遠ざかっている。また、DFBポカールも勝ち残っているし、ヨーロッパリーグのグループ予選でも首位の座を磐石としている。ベンタレブ曰く、成功の鍵はシャルケのサポーターにあるようだ。「僕たちにはずっと自信があった。ただスタートが悪かっただけ。ファンが我慢して待ってくれた。僕たちに時間をくれたんだ。それを僕たちは分かっている。だから、トレーニングでハードワークを続け、いつか結果がついてくることを信じ続けた。つまり、これは順当な結果だよ」

 

 ベンタレブはまず、来る代表ウィークにアルジェリア代表としてナイジェリアと対戦し、そのあとシャルケとして敵地でのVfLヴォルフスブルク戦に臨む。だが、ウィンターブレイクまでの具体的な目標に関しては口を閉ざした。「僕たちはいつも次の試合にだけ集中している。順位表についてはあまり考えず、チームとしてのパフォーマンスだけ気にするべきだ。9試合負けなしだし、今は順調だと言っていいと思う」